転職活動において、最初の関門は応募先の書類選考に通過することです。
しかし、履歴書の志望動機欄に何をどう書いたらいいのか、悩んでしまうこともあるかもしれません。
また、面接時は志望理由への受け答えも評価されるポイントです。
この記事では転職における志望理由の書き方、面接での伝え方のコツも解説しています。
キャリアアップ、未経験職へチャレンジする場合の例文も載せていますので参考にしてみてください。
まずは志望動機を明確にする
転職先を検討する時、なぜその仕事に就きたいのか、その職場で働きたい理由、仕事への意欲や目標を整理するところから始めてみてください。
自分の中で理由が明確となったらそれをどう伝えるか、採用する企業側の視点で考えてみましょう。
採用担当者は「志望動機」のどこを見ている?
志望動機はその人の経歴やスキルを知るだけではありません。
企業にとっては今後戦力となり、自社に貢献してくれる人材かどうかの判断材料になります。
また、採用担当者は他社ではなくなぜ自社を選んだのか、長く会社のために働いてくれる人材かどうか、志望動機から読み取ろうとします。
企業は主に3つの点から応募者の志望動機を見ています。
- 転職でどんなことをかなえたいのか
- なぜ他社ではなく自社を選んだのか
- 自社で活躍、貢献してもらえる人材か
志望動機の書き方
上に挙げた企業が知りたいポイント、注視される点をふまえて、志望動機を組み立てていきましょう。
1.転職してかなえたいこと
今の仕事への不満から転職を考える人もいるでしょう。
現状ではかなえられない目標があるとすれば、転職先でどのように目標に近づき、将来のやりがいへと変えていくことができるか、前向きな姿勢や具体的なビジョンを伝えることが重要です。
「前職での市場調査の経験を活かし、より幅広い顧客層にマッチするサービスを提案していきたい・・・」など、具体的な自身のエピソードを入れて書くとより説得力があります。
2.なぜこの会社で働きたいのか
企業側の「なぜ当社なのか?」という疑問に答え、納得してもらえる理由を伝えるためには、志望する企業の情報収集が不可欠です。
Webサイト、会社案内、企業理念、代表者メッセージは必ず確認しておきましょう。
また、プレスリリースなどもチェックしてみてください。
プレスリリースは企業の商品やサービスの告知だけでなく、自社の取り組みや社会での役割・活動を伝える手段でもあります。
自分が仕事で目指していること、大切に考えていることとの共通点など、前向きな志望動機につながるヒントとなる可能性もあるでしょう。
3.どんな形で貢献ができるのか
応募する職種に関して、自分ならどのような形で貢献できるのかを伝えましょう。
これまでの実績やスキル、具体的なエピソードなどをベースに書くとより伝わりやすくなります。
求人情報をしっかり分析し、求める人材、企業風土に自身がマッチしている事が伝わるように書きましょう。
その他の注意点
人気の高い求人には数十件もの応募書類が届くこともあります。
企業の担当者が読みやすいように、志望動機は100から200文字前後のボリュームで要点をまとめて書くように心がけましょう。
また複数企業へ応募する場合は、それぞれの企業研究をおこたらず、各企業にアピールする内容にしましょう。
志望動機の例文
参考までに志望動機の例文をご紹介します。
ここでは未経験職、同業他社へのキャリアアップの場合の2例となります。
未経験職に応募する場合
【例:事務職→販売職】
これまで営業事務を担当しておりました。
販売後のアフターフォローも担当するなかで、お客様に喜んでいただけることにやりがいと達成感を感じていました。
より身近にお客様と接し、提案できる販売職にチャレンジしたいと考えています。
自身の生活にも欠かせない貴社の製品と、自然環境を大切にする取り組みに共感しております。
お客様に製品の良さを伝える販売職では、前職の経験を活かせると考えています。
現職から同業他社へキャリアアップを目指す場合
【例:営業職→営業職】
現職では首都圏の病院を中心に〇〇の治療薬の拡販に携わっています。
薬で症状が改善されたという患者様の声を聞くことがやりがいとなり、病気や治療に関する最新の情報や医療知識の習得もしてきました。
昨年より貴社開発の新たな治療薬について、病院や医師から質問をいただく機会が増えています。
全国に拠点を持つ貴社でなら、医療が充実していない地方へも、求められる治療を広めることができるのではと考えます。
病気で苦しむ多くの患者様のお役に立てるよう、自分なりの形で医療に貢献したいと考えています。
志望動機のNGポイント
ここでは志望動機のNGな例、フレーズを挙げておきます。
動機として間違っているわけではありませんが、「なぜそうなのか」、「だから自分はこうなっていきたい」という前向きな意欲につなげていくことが大切です。
「貴社の経営理念に共感しました」
「共感した」だけでは漠然としていて説得力に欠けるため、書類選考で落ちてしまう可能性もあります。
具体的にどのように共感し、その環境で自分がどう仕事に取り組みたいか、説明できることが望ましいでしょう。
「勉強させていただきたい」
未経験の職種に応募する際に書いてしまいがちですが、受け身な姿勢と見られることもあるでしょう。企業は戦力となる人材を求めています。
教えてもらう姿勢だけでなく、これまでの学びやスキルをどう活かせるかを考えてください。
新しい分野にチャレンジする前向きな姿勢が伝わるように書くとよいでしょう。
「給与や休み、勤務地などの待遇面」が志望理由
給与や休みなどの待遇面がメインの志望理由になっていると、条件にひかれて応募した人だと受け取られてしまいます。
経験や知識を活かしてどう貢献していきたいか、仕事上の適性や意欲をアピールできるとよいでしょう。
面接での伝え方のコツとは?
面接時に志望動機を伝える場合、基本的には書類に書いた内容に沿って話して構いません。
書ききれなかったエピソード、経験を通して自分が感じたことなど、もう少し詳しく具体的に話すこともできます。
面接官は応募者の人柄や、未来の活躍をよりイメージしやすくなるでしょう。
要点はできるだけ簡潔に述べ、細かい部分は相手からの質問に答えたり、会話の流れの中で伝えても良いでしょう。
面接に挑む際の準備や注意点、好印象を与えるポイントについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。
参考にしてみてください。
転職の面接は何を聞かれる?これだけは準備しておきたい質問5パターン 写真館への就職面接で注意点は?好印象を与えるためのポイントまとめ
いかがでしたでしょうか。
志望動機の中で働く意欲をしっかりと伝えることは、転職成功への第一歩となります。
業界や職種によって表現は異なってくることもあるでしょう。
いずれの場合も、自分がこれまでに仕事を通して得たスキルや経験をどう活かし、1年後、5年後の自分がなりたい姿、目標の達成をイメージし、伝えることがポイントです。
その過程の中で自分が本当にやりたい仕事、働きたい場所なのかも見極めていくことができるでしょう。
志望動機を練る時間を惜しむことなく、転職活動に挑んでいきましょう。