着る機会がなくなった着物を売りたいけど、どんな方法で売れるのか、相場はどのくらいなのか?悩んでいるうちに時間が経ってしまい・・・という経験がある方もいるのではないでしょうか。
この記事では主な着物の買取方法、それぞれのメリットや注意点を説明するとともに、おすすめの買取方法もご案内します。
高価で売れる着物の種類、相場なども紹介していますので参考にしてみてください。
着物の買取にはどんな方法がある?
着物を売る方法として、主に以下の3つの手段が考えられます。
- リサイクルショップを利用
- 自分でフリマやオークションサイトで売る
- 着物買取業者を利用
それぞれにメリット・デメリットや、注意すべきポイントもあります。
詳しく見ていきましょう。
リサイクルショップで買取
生活圏内のリサイクルショップに直接持ち込む方法があります。
「リサイクルショップ」のメリット・デメリット
身近で気軽に利用できるため、思いつく方も多いでしょう。
出張査定に対応しているショップなら、自宅にいながら他の不用品も一緒に引き取ってもらうというメリットもあります。
しかし、多くの品目を扱うリサイクルショップは、着物に詳しいスタッフがいない場合もあり、適正な査定を行えるとは限りません。
買取価格が低くなったり、買取そのものが難しいケースもあるため、注意が必要です。
フリマアプリやオークションで売る
スマホ一つで出品、取引も簡単なフリマアプリやオークションサイトは、利用したことがある方も多いでしょう。
「フリマやオークション」のメリット・デメリット
不用品を売りちょっとしたお小遣い稼ぎにも、フリマ・オークションは便利な手段です。
匿名で取引できるなどのメリットもあります。
しかし着物の場合、あまり詳しくない方にとっては適正な価格の設定が難しいこともあるでしょう。
値段が高過ぎては売れず、また本来の価値より低い値段で取引されてしまう可能性もあります。
商品の写真撮影、発送作業の手間や時間もかかる上、着物の場合は丁寧な梱包も求められるでしょう。
さらに個人同士の取引は、販売後のクレームや返品に関するトラブルも少なくありません。
この点も注意が必要です。
着物買取業者に依頼
着物をはじめ、貴金属やブランド品など品物の価値を査定し、買取をする専門の業者に依頼する方法があります。
「着物買取業者」のメリット・デメリット
着物買取に強い業者の場合、専門の査定士が着物の適正な価値を判断します。
この点は着物買取業者を利用する大きなメリットの一つだと言えるでしょう。
自宅近くに店舗がなくても、出張買取・宅配買取に対応していれば全国どこからでも利用できます。
インターネットで検索をすれば、大手の買取業者がいくつか見つかるでしょう。
ただしネットの場合、信用できない業者に出くわしてしまうこともあるので注意が必要です。
買取方法や査定基準の説明が十分でない、問い合わせへの対応が遅い場合などは要注意です。
業者選びは慎重に行いましょう。
大切な着物を安心して売るには?
前の段落で主な3通りの売り方と注意すべきポイントをご紹介しました。
着物にあまり詳しくない方や、できるだけ手間をかけず着物を売りたいという場合、適正に査定を行い、トラブルも比較的少ない買取専門業者がおすすめと言えるでしょう。
着物の買取業者を選ぶ時のポイント
買取専門業者に依頼する前に、確認しておいた方が良い点もあります。
着物や和装小物を数点まとめて売りたい場合は、自宅への出張査定が無料かチェックしておくと良いでしょう。
また、着物を売ってしまった後に「やはり手放したくない」と思い直すこともあるかもしれません。
買取キャンセル(クーリングオフ)に対応している業者か、あらかじめWebサイトなどを確認しておくことも大切です。
業者選定時のチェック項目
- 買取方法(出張買取や宅配買取)が選択できるか
- 出張査定や見積りは無料か
- クーリングオフに対応しているか
高価で買取されやすい着物とは?
市場が求める着物を仕入れ販売し、収益を上げることが買取業者のビジネスです。
つまり、中古としても人気があり、よく売れる着物は高価で買取されやすいと言えます。
また、着物の格が高く保存状態が良いもの、希少性のある着物は市場価値があり、買取相場も高い傾向にあります。
着物の種類別買取相場の目安
ここからは着物の種類別に買取相場の目安を紹介します。
買取業者サイトの買取参考価格、中古着物の販売価格を元に価格帯を概算しています。
※実際の買取価格とは異なる場合もあります。
振袖の買取相場
- 5,000〜50,000円(またはそれ以上)
成人式で需要のある振袖は買取価格が高い着物です。
赤やピンク系、淡いブルー系など、定番の色柄の方が利用者のニーズも多く、相対的に高く買取されます。
着物だけではなく、帯、草履、バッグなど成人式で使う小物一式で売ると付加価値がつくこともあります。
留袖の買取相場
- 1,000〜30,000円(またはそれ以上)
留袖は結婚式や披露宴など、フォーマルな場に出席する際に着用します。
幅広い年代に着られるため、中古市場でも需要の高い着物です。色やデザインによっても買取価格は変わってきます。
訪問着の買取相場
- 1,000〜50,000円(またはそれ以上)
訪問着はフォーマルからカジュアルな場面まで、着用シーンの多い着物です。
未婚・既婚を問わず着ることができるため、中古品を買い求める人も多い着物だと言えるでしょう。
小紋
- 500〜30,000円(またはそれ以上)
訪問着などよりは格が下ですが、買い物、観劇、稽古事など、カジュアルな用途で幅広く着られる着物です。
ブランド物や有名作家の小紋は高価買取になることもあります。
伝統工芸の着物
- 5,000〜100,000円(またはそれ以上)
例えば伝統工芸で有名な友禅染めの着物などは買取額が高くなるケースがあります。
代表的な友禅には「京友禅」、「加賀友禅」、「江戸友禅」があり、それぞれの絵柄や制作工程に特徴があります。
また、一人の職人が下絵から仕上げまでの工程を担う作家物、分業で作業を担当する場合など、産地や制作工程によっても相場が変わってきます。
有名作家やブランドの着物
- 5,000〜100,000円(またはそれ以上)
有名作家が手掛けた着物も、高値がつく場合があります。
老舗ブランドやデザイナーブランドの着物も一般的には通常の着物より高価買取が期待できます。
着物の買取価格、査定のポイントは?
着物の種類や需要の高さ、制作工程や希少価値だけではなく、着物の状態によっても買取価格は上下します。
ここでは着物の状態による査定ポイントを5つご紹介します。
証紙・証明書の有無
証紙は着物の品質や価値を証明するもので、購入した時についているものです。
証紙には産地、製造元、生地や染め・織り方、さらには伝統工芸品であればそのマークが印されています。
証紙があると査定ポイントも高くなるでしょう。
落款(らっかん)
着物の作者を証明するもので、査定の判断基準になります。
着物の場合は印鑑や刺繍などで記され、名の知れた作家の落款が入っている着物は価値が高くなります。
保管状態
一度しか着用していない着物でも、保管やお手入れの状態によっては買取価格に大きく影響します。
汚れがついたままのもの、取れないシミやカビ、色あせがひどいものは買取が難しいこともあるので注意しましょう。
いずれ売ることを考える場合は、着物の状態を定期的にチェックしておくことをおすすめします。
素材
着物の素材も査定に影響する要素です。
着物には絹、木綿、麻、ウール、化学繊維などの素材がありますが、最も価値が高いのが絹で作られた着物です。
反対にポリエステルなどの化学繊維の着物は安値となる傾向にあります。
着物のサイズ
仕立て直しができる着物の場合、大きいサイズは査定ポイントが高くなります。
小柄な方のサイズにあわせて作られたものは仕立て直しができないため、買取が難しいこともあります。
まとめ
思い出の着物、大切な人から譲り受けた着物は簡単に処分できないものです。
洋服と違い、長く大切に着ることを想定して作られる着物は、リサイクルに適していると言えます。
買取方法や相場、査定基準について知識を身に着けておけば、後悔することなく、大事な着物をあらたな持ち主へ送り出していけるでしょう。
ご自身や家族の着物の買取時に役立ててみてください。