写真スタジオのカメラマンになりたいとき、出張はあるのかどうか気になる方は多いのではないでしょうか。
そして出張があるタイプの写真スタジオの場合は、出張の内容や出張手当の有無も事前に確認しておきたいですね。
今回は、写真スタジオのカメラマンに出張はあるのか、その内容と出張手当について詳しくご紹介します。
カメラマンの出張パターン
カメラマンの業務のひとつとして出張があります。
ただし、一切の出張を断っている写真スタジオもあるため、一概には言えません。
まずは、カメラマンの出張の行先と業務内容の種類から詳しくみていきましょう。
学校イベントでの写真撮影
学校や幼稚園、保育園などでの運動会や遠足といったイベントの写真撮影係として出張するケースがあります。
修学旅行に同行する場合は宿泊することになるでしょう。
学校や行事の規模にもよりますが、依頼主によっては、1人につき3枚以上は撮る、合計3万枚といった条件を提示されます。
個人の写真だけでなく集合写真も一緒に依頼されることもあるでしょう。
このパターンの撮影では長時間外で立ちっぱなし、歩きっぱなしということも珍しくありません。
子供と触れ合うケースもあるため、子供が好きな人に向いています。
また、笑顔でイベントを楽しんでいるところを写真に収めたり、躍動感のある写真を撮影したりする技術が必要です。
インタビューへの同行
写真撮影が必要なインタビューに同行するケースです。
インタビューの撮影はフリーランスのカメラマンに多い傾向にありますが、スタジオでも稀にあります。
インタビュー撮影では、インタビューの邪魔をしないようにベストショットを撮影する必要があり、単なる撮影技術だけではなく、空気を読む能力も求められます。
またインタビューといっても、質問者と回答者1対1のパターンだけではなく、座談会だったり、回答者1人に対して複数人の回答者がいるなどさまざまな形式があります。
まず質問者を撮影するかしないかだけでも狙う構図が違ってきます。
撮影場所もスタジオではないので自分が動けるスペースが少ないケースも多く、臨機応変に工夫しながら撮影する必要がでてきます。
制約は多そうに感じますが、自由に動き回れない状況でも静かに着実にいい表情を捉えることは、スタジオ撮影でも役に立つことでしょう。
家族の日常を撮影する
家族の日常を撮影するために、家族旅行や日常の遊びに同行する場合もあります。
家族の時間を邪魔しないように一定の距離をとりつつ、自然な姿を撮影します。
学校イベント同様、旅行なら宿泊して連日撮影というパターンもあるかもしれません。
家族全員の自然な姿を撮りたいとなると、どうしてもプロへの依頼が必要になるため、安定したニーズがあるパターンです。
家族の記念日を撮影する
家族の日常的なスナップだけでなく、最近は記念日の撮影を出張で行う「ロケーション撮影」といわれるパターンも多くあります。
例としてはニューボーン(出産)や、結婚式、七五三の前撮り撮影があげられます。
定番のロケーションは神社やチャペルですが、基本的には依頼主の思い出や好みの場所に出向いて撮影をするのでフットワークの軽さが大切になります。
また、どんな場所でも背景を含めた気の利いた構図で記念日を彩る撮影ができる必要があります。
スタジオカメラマンはもともと記念日の撮影をすることが多いと思われます。
ですので、その延長やオプションとして記念日関連のロケーション撮影も高いニーズがあると思っていていいでしょう。
人物以外の撮影をする
写真スタジオで受けることはあまりない依頼かもしれませんが、出張撮影は何も人物に限ったことではありません。
ウェブ広告がより身近になった今、大企業に限らずさまざまな規模のビジネスで宣伝用の良質な写真や画像の需要が高まっています。
たとえばウェブサイト掲載や広告用にレストランの内装やメニューの写真撮影をしてほしい、施設案内用に店舗写真や景色を撮影してほしいといった依頼です。
また、商品のみを撮影するブツ撮りという依頼もあります。
依頼主の用途や目的に合わせた使いやすい素材を撮影、提供する仕事になります。
自分が専門的に撮りたいテーマや被写体が決まっている場合は、こういった出張先のあるスタジオを探すと経験値向上につながりますね。
カメラマンの出張手当の有無
カメラマンの出張手当の有無は、スタジオによって異なります。
出張では普段とは異なる環境で仕事をすることや、移動の負担などを考慮して、基本的に手当てが出ます。
しかし出張手当は法律的に支給義務がないため、支給対象になる条件はスタジオによってまちまちです。
出張エリアや曜日、頻度などの条件で支給金額が決まり、頻度が高いあるいは近場が多いスタジオの場合手当がない傾向があります。
ただでさえ週末の就業が多くなりがちなスタジオカメラマン。
転職、就職先を選ぶ際には、出張手当の有無や条件をあらかじめ確認しておくことが大切です。
出張では、移動時間や食事など時間や金銭面で拘束されることがふだんより増えます。
さらに、出張に出ればスタジオを空けることになりますから、単純に業務負担も増えます。
もし出張手当の出ないスタジオの場合、業務量に給与が見合わなくなる可能性がありますので要注意です。
また、出張手当が出る場合でも例えば遠方がほとんどで金額が少ない、という事態は避けなければなりません。
出張手当は出張経費と違い、もらった金額がそのまま手取り収入の増額につながるので、出ないと実質のところ給与が下がるのと同じです。
興味のあるスタジオが見つかったら、出張手当の有無と同時に条件も必ず確認しましょう。
出張手当の相場
カメラマンの出張手当に相場はありません。
スタジオによって大きく異なります。
しかし、1回1,000~2,000円程度のスタジオが多いようです。
これは、1日あたりの収入を踏まえると妥当な金額です。
例えば、月収20万円の場合、20日出勤として1日の収入は1万円です。
出張手当が1,000円の場合は、10%の割増賃金を得られた扱いになります。
出張にかかる手間やストレスを踏まえると妥当ではないでしょうか。
また、一般企業では、階級が上がるほど出張手当も高くなる傾向があります。
カメラマンも経験年数や実績によって出張手当が高くなる場合があるかもしれません。
こればかりはスタジオによって異なるため、事前に確認するしかないでしょう。
まとめ
スタジオによっては、出張撮影があります。
学校や幼稚園のイベント撮影、インタビュー撮影、家族写真の撮影など、さまざまな種類があるため、どのような出張が多いのかは前もって確認しておくことが大切です。
また、スタジオによっては、人物以外の出張撮影も行う場合があります。
自分が専念したい撮影テーマや被写体がある場合は、それに沿った出張先があるかという観点でスタジオを探すこともキャリアアップのひとつの手です。
出張が多いスタジオへの就職を検討する場合は、出張手当があるところに絞り込んだ方がよいでしょう。