これからカメラマン(フォトグラファー)を目指す方や、キャリアチェンジをしたいと考えている方は、どのようなカメラマンになりたいか、何を撮りたいか専門ジャンルを考えていく必要があります。
一概にカメラマンと言っても、さまざまな職種があります。
また、実際にカメラマンの仕事に就いたとして、平均年収がどの位なのか気になる方もいるでしょう。
年収を少しでも上げるために、今からできる準備も気になるところ。
カメラマンの平均年収、年収が決まる要素、年収を上げるためのポイントについても深掘りしてご紹介していきます。
カメラマン(フォトグラファー)の種類
写真に関する仕事は、被写体や使用目的によって仕事内容が異なります。
必要とされるスキルや撮影機材も、変わってくるでしょう。
ほとんどのカメラマンは得意とする専門分野を持っています。
では、どのような職種があるか、みていきましょう。
- お子様の成長記録や家族写真を撮影する「フォトスタジオカメラマン」
- ウェディングフォトや前撮り撮影、結婚式当日の撮影など、新郎新婦の大切な日を撮影する「ブライダルカメラマン」
- 紛争地で起きている実情を撮影する「ジャーナリストカメラマン」
- ニュースや新聞に掲載するため、事件事故、政治から身の回りで起きていることを撮影する「報道カメラマン」
- 試合中継やスポーツ大会、選手の決定的な一瞬を撮影する「スポーツカメラマン」
- 雄大な自然や植物、動物の写真を撮影する「風景カメラマン」
- 広告やメディア、企業のプロモーションで使用することを目的として、商品や人物を撮影する「商業カメラマン」
- 運動会や修学旅行など学校行事に同行して記念写真を撮影する他、卒業アルバムの写真を撮影する「スクールカメラマン」
- 肖像写真、プロフィール写真など主に人物を撮影する「ポートレートカメラマン」
- ファッション雑誌に掲載するモデル、衣装小物を撮影する「ファッションカメラマン」
このように、一例を挙げただけでも多岐に渡ります。他にも、専門的な被写体を対象とした職種が数多くあります。
カメラマン(フォトグラファー)として働き方
続いて、カメラマンとしての働き方は2つに大別されます。
- フォトスタジオや写真館、新聞社、広告代理店、結婚式場など会社に属して専属カメラマンとして働く
- フリーランスとして自分の名前で活動する
会社に属して働く場合も、正社員や契約社員、アルバイトなど多様な雇用形態があります。
カメラマン(フォトグラファー)の平均年収
カメラマンの平均年収について、複数の求人サイトを見ると、年収250~450万円程度の求人が多いようです。
そのため、平均年収は340〜360万円程度と言えるでしょう。
大手広告代理店や新聞社の専属カメラマンでは、年収600万円以上の求人が出ていたり、有名なカメラマンは年収1000万円以上あることも考えられます。
一方で、アシスタントやアマチュアの場合は年収250万円以下の場合もあるでしょう。
このように、撮影する被写体のジャンルや雇用形態、能力によって給与幅が広い結果となっています。
個人の実力差によって桁が異なるほど千差万別です。
カメラマン(フォトグラファー)の年収が決まる要因
被写体のジャンル・雇用形態・能力によって、年収に大きく差が開くことがわかりました。
その他にも、カメラマンの年収が決まる主な要因について詳しくみていきましょう。
経験年数
どのような職業でも、経験年数は、年収にある程度の影響を及ぼします。
これは、経験年数が長いほど撮影技術やマネジメント能力に優れているとされるためです。
ただし、経験年数だけで年収は決まりません。
十分な撮影技術を身につけていない場合や、会社に属している場合、管理職として能力があるか否かによって、異なってくるでしょう。
撮影技術や画像編集ソフトの操作スキル
高画質な撮影が比較的簡単に撮れるようになり、画像処理技術も格段に向上しています。
そのため、カメラマンとして撮影技術だけではなく、レタッチ技術も求められます。
画像編集ソフトの操作技術を身につけている場合、給与に反映されやすいでしょう。
今後もレタッチ技術の高いカメラマンの価値が高まっていくと考えられます。
転勤の有無
企業に属する場合、転勤が多い企業は年収が高い傾向にあります。
転勤によって生活環境が大きく変わることで、従業員に負担が掛かります。
従業員の退職を防ぐことを目的として、年収を高めに設定しているのでしょう。
また、手当が別途支給される企業もあります。
地域差
地域によって賃金差があります。首都圏の方が、賃金が高く設定されていることが多いです。
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」「都道府県別賃金(男女計)」を参照すると、全国平均月額307.4千円でした。
最も高い地域は東京都364.2千円、最も低い地域では244.6千円という結果でした。
中央値ではなく、あくまで平均値の結果ですが、地域によって賃金差が開くことがわかります。
実際に、複数の大手フォトスタジオでも地域によって給与形態が異なる場合が多いです。
カメラマン(フォトグラファー)の年収を上げる方法
カメラマンの年収を上げるには、自分の市場価値を見極めて適切にアピールする必要があります。
充実したポートフォリオの作成
フリーカメラマンの場合、充実したポートフォリオがあれば相手に実績の証明と信頼を与えることができます。
フォトスタジオ・写真館に転職を希望する際も、ポートフォリオがあると役立つでしょう。
また、クライアントから依頼を頂くため、作成したポートフォリオの露出を増やしていくことも大切です。
web上で公開したり、SNSを活用しているカメラマンも多くいます。
技術証明をする資格
「写真技能士」、「Photoshop(R)クリエイター能力認定試験」、「フォトマスター検定」といった資格を取得することが有効です。
資格よりも実務経験を重視している企業が多いため、資格があれば安心できるわけではありませんが、転職時や昇給の場面において、有利に話しを進めることを目的として、資格の取得を目指すとよいでしょう。
各資格の詳細は、別記事で詳しくご紹介しているのでチェックしてみてください。
【フォトスタジオ・着物振袖業界版】転職するために必要なスキルや資格は?セルフブランディング
自分にしか撮れない写真、得意ジャンルを確立する必要があります。
そのためには、撮影技術だけではなく、感性や、創造的なアイディアが求められるでしょう。
自分自身をブランド化していくためには、撮影技術とは別にプラスアルファを組み合わせていくことが大切です。
まとめ
カメラマンの平均年収は、約340~360万円という結果でした。
一般的に見て、平均もしくは、やや低い年収ではないでしょうか。
そのため、カメラマンの仕事にやりがいを感じられるかどうかが重要です。
年収を上げたい場合は、自分の市場価値を見極めたうえで、適切な自己PRや魅力的なポートフォリオを作成することが欠かせません。
知識を得るために、資格取得を意識してもよいでしょう。
また、フリーカメラマンとして独立することを見据え経験や実績を積み重ねていくことも選択肢の一つと言えるでしょう。
まずは、カメラマンの職種や仕事内容をきちんと理解して、どのようなカメラマンになりたいか、何を撮りたいかを明確にすることが大切です。
データ参照:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/index.html
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」「都道府県別賃金(男女計)」