キャリアをリセットして、全くの未経験から新しい仕事に挑戦する方、社会情勢の変化や将来性の不安から業界・職種を跨いで転職をする方もいるでしょう。
ただ、キャリアチェンジの場合、転職に一歩踏み出せないことはよくあります。
この記事では、これまでのキャリアと異なる業界・異なる職種へ転職を考えている方に向けて、転職するメリット・デメリットと転職を成功させるポイントを解説しています。
ぜひ参考にしてみて下さい。
そもそも業界と職種の言葉の意味は?違いは?
「業界(業種)」と「職種」は、混同して使われることが多いですが、言葉の意味が異なります。
求人情報でよく見かける「未経験者歓迎!」とする場合でも、業界未経験がOKもしくは職種未経験がOKなのかによって状況が違います。
それぞれの言葉の意味を正しく理解しましょう。
業界(業種)
業界とは扱っている商品・サービスの分野を指します。
大手求人サイトでは業界を「サービス」「メーカー」「小売」「商社」「金融」「マスコミ」「IT・通信」「官公庁」の8つに大別しています。
業界に近い言葉に「業種」があり、どのような事業を行っているのかカテゴリー分けされています。
例えば、サービス業界では運輸業、宿泊業、教育業、娯楽業などの業種が含まれます。
職種
職種とは、企業の中で個人が担当する仕事内容の種類です。
一般的な企業での職種には「営業職」「事務職」「経理職」などがあります。
異業界・異職種への転職は難しい?
異業界・異職種への転職の傾向を解説していきます。
年齢が上がるにつれ難易度が高くなる
20代の転職は難易度が低く、転職しやすいです。
将来のポテンシャルと伸び代を加味し、これまでの実績より基本的なポータブルスキルが身についているかどうかが重視されます。
ポータブルスキルとは、どのような業界・職種でも通用する持ち運び可能なスキルです。
さまざまな環境で応用できるスキルであることから、人材採用、人事評価などの場面で活用されます。
30代以降の転職になると、社会人としての基礎だけではなく、キャリアの専門性が求められます。
加えて、人材育成やチームリーダーなどのマネジメント経験も求められるでしょう。
異業種・異職種に転職をする際は、年齢が若い方が転職の成功率は高いと言えます。
難易度は業界によって異なる
特定の専門性を要する業界は、転職の難易度が高い一方、異業界・異職種から転職しやすい業界もあります。
IT・通信業界、サービス業界は、未経験から転職しやすい業界だと言われています。
その理由として、IT・通信業界は、市場が拡大・発展をし続けているので自社で人材育成することを前提に、若手を中心したポテンシャル採用を積極的に行っています。
同時に、サービス業界も人員不足を背景に未経験者を歓迎する求人が数多くあります。
仕事内容をマニュアル化しやすく、さまざまな世代ですぐに活躍しやすい点が特徴だと言えるでしょう。
「異業種×異職種」の転職者は年々増加している
リクルート社が2021年に公表した「リクルートエージェント転職者決定者データ分析」によると、2017 年度以降「異業種×異職種」の転職パターンが最多となり、2009年度時点で24.2%から2020 年度は 36.1%に増加。
約10年間で業界や職種を越えた「越境転職」が加速したと述べています。
つまり、このデータから転職する人の約3人に1人は「異業種・異職種」であることが分かります。
同社は、「異業種×異職種の転職が主流パターン」になっているとも述べ、これまでのキャリアと関連性が無い転職でも成功している割合の高さが伺えます。
異業界・異職種へ転職するメリットとデメリット
同業界×同職種の転職は、これまでのキャリアを最大限に活かせるので即戦力として活躍しやすく、年収が上がるなど転職のメリットがあります。
では、異業界または異職種に転職をする場合のメリットとデメリットは何かを解説していきます。
異業界×異職種のメリット
もともと興味があった仕事、希望する仕事に転職する場合はモチベーションを高く持ちながら働くことができるでしょう。
新しい業界・職種で働くことで世界が広がり、新たなスキルアップも見込めます。
ビジネスパーソンとしての市場価値を高めることにも繋がります。
異業界×異職種のデメリット
異業界かつ異職種の場合、端的な例ではありますが、サービス業界の販売職からメーカー業界の技術職に転職をするようなイメージです。
培ってきたスキル、経験、知識を活かすことが難しく、転職のハードルは最も高くなります。
これまでの評価がカウントされないので、給与が下がることもあるでしょう。
異業界×同職種の場合は?
業界を変更し、職種は変更しない転職です。
例えば、同じ営業職でも異なる業界に転職するケースです。職種が同じであれば業務内容が似通っていることが多く、即戦力としてアピールしやすいです。
経験者として見てもらえる場合も多いでしょう。
職種は、業界が変わったとしても個人レベルで行う仕事内容は大きく異なることがないため、異業界への転職は比較的しやすいです。
同業界×異職種の場合は?
同じ業界内で、営業職から事務職へ職種を変更する例です。
業界特有の知識を要する企業への転職は有利ですが、職種をまたがる転職はやや難易度が高いです。
職種を度外視して、経験がある業界、憧れていた業界だけで仕事を選んだ場合、自分がやりたい業務に従事できるとは限りません。
転職を成功させるためのコツ
異業界・異職種への転職を成功に導くために、面接でアピールするべきポイントを紹介します。
転職希望先とこれまでのキャリアの共通点を見つける
転職先の仕事内容と、これまでのキャリアで一致する点を説明し、採用担当者に理解してもらう必要があります。
共通点を見出して転職先でどのように活かせるのか伝えましょう。
志望動機をしっかり伝える
異業界・異職種の転職の場合、採用担当者は「なぜこの業界・職種を選んだのか」という志望動機を重視しています。
曖昧な転職理由では通用しません。インパクトのある明確な転職理由を伝えましょう。
そのためには、徹底した業界研究、企業情報を調べ、志望動機を作り上げることが必要になります。
適応力をアピールする
転職時の年齢が上がるにつれ、変化に対して柔軟な対応ができるかどうかを重視されます。
新しい業界・職種に挑戦する時は、ゼロからリセットして始める覚悟を持つことが大切です。
環境に適応するために意識的に行った行動や、周囲からの評価、立ち位置などを説明できるとよいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。異なる業界、異なる職種への転職は主流化し、多くの方が転職に成功しています。
これから先、長い人生を考えたときにキャリアチェンジは前向きな選択肢の一つだと言えるでしょう。
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