カメラマン(フォトグラファー)にとって、ポートフォリオの作成はほぼ必須であると言えるでしょう。
転職時や仕事の案件を得る際、ポートフォリオの提出が必要であったり、自分自身を表現するためのツールとして重要性が高まっています。
この記事では、ポートフォリオを作成するうえで知っておきたい要所を解説しています。
「これからポートフォリオを作成しようとする方」「選ばれるポートフォリオにしていきたい方」
に向けて、役立つ情報をまとめています。ぜひ参考にしてみてください。
ポートフォリオとは?作るメリット
ポートフォリオとは
いわゆる「作品集」として経歴や実績をアピールするものとなります。
名刺の代わりとして、ポートフォリオを所持している方もいるでしょう。
企業によっては履歴書・職務経歴書よりポートフォリオの中身を重視することもあります。
ポートフォリオを作るメリット
ポートフォリオは、履歴書・職務経歴書だけでは伝えることのできない技術力やセンスを視覚的にアピールできます。
また、ポートフォリオを公開することで、新たなクライアントとマッチングする可能性が上がるのでビジネスチャンスを広げることができます。
どんな内容を盛り込むか
それでは、ポートフォリオを作成する上で、どのようなコンテンツを載せるのかという点を解説していきます。
目を惹くポートフォリオの作成方法のコツと抑えておきたいポイントも紹介します。
基本的な項目
ポートフォリオに載せるべき基本的な項目は、目次・自己紹介・自己PR・使用可能ツール・作品紹介です。
だいたい20ページ以内に収めると、読みやすいと言われています。
ターゲットを絞って作成する
最も大切なことは、相手を意識することです。
「誰に見てもらうのか」「何を伝えたいのか」といった目的によってポートフォリオの内容を変えていく必要があります。
目的に一貫性がないと、あれもこれもと載せてしまい散らかった印象になってしまいます。
メッセージ性が薄れてしまうでしょう。
読み手に合わせて内容を最適化していく必要があります。
キャプチャーでこだわりを伝える
「写真を見て感じ取って欲しい」と読み手に思考を委ね、ただ写真を羅列しているポートフォリオでは、作品の意図が伝わりません。
作品に説明をつけ、制作背景や思考プロセスを伝えましょう。
画像タイトルであったり、見どころ、注力したこだわりを簡潔にまとめることも大切です。
一般的には200〜400字程度を目安にするとよいです。
将来のビジョンを示す
ポートフォリオは過去の実績をアピールするものです。
同時にこれからのビジョン、極めていきたい分野を示すとよいでしょう。
読み手側との親和性も高まり、伸び代や成長性を伝えることができます。
紙とWEBの違いは?
ポートフォリオの作成時、紙とWEBどちらで作成するべきか迷う方もいるでしょう。
かつては、紙に印刷したものを提出することが一般的でしたが、近年では企業やクライアントによって、提出の仕方がさまざまです。
WEBポートフォリオで完結することが多い傾向にありますが、それぞれにメリットがあるので用途によって使い分ける必要があります。
WEBのポートフォリオ
WEBポートフォリオのメリットは、アクセスできる全ての人に情報発信ができることでしょう。
その都度、読み手に合わせた最適なポートフォリオにカスタマイズもしやすいです。また、UI/UXデザインの理解があることは、評価されるポイントの一つにもなります。
注意点として、WEB上で過去の実績作品を公開する場合、クライアント名やプロジェクト名の掲載に注意を払う必要があります。
作品にはさまざまな権利がついているため、機密保持やコンプライアンス遵守が必須です。
情報モラルが求められるでしょう。
紙のポートフォリオ
業界内ではブックと呼ばれ、WEBとは別に持ち込み用のブックを携帯する方もいます。
紙のポートフォリオは、迫力や細部のこだわりを伝えることができます。
クライアントや採用担当者に紙のポートフォリオを手に取ってもらいプレゼンテーションをする場面もあるでしょう。
PDF化しましょう
WEB・紙のポートフォリオどちらの場合でも、事前にPDF形式にして用意しておくとよいでしょう。
面接の応募時、選考段階では、まずダイジェスト版をPDF形式で求められることが多々あります。
ポートフォリオの作成に便利なツール
WEB上でポートフォリオを作成するには、「ポートフォリオ作成ツールを利用」もしくは「自分自身でWEBサイトを立ち上げる」2つの方法があります。
それぞれの特徴を解説します。
ポートフォリオ作成に役立つサービス4選
ポートフォリオ作成サービスツールを利用することで、手軽にクオリティの高いポートフォリオが完成するのでおすすめです。
Adobeが提供しているポートフォリオサイト作成サービスです。
Photoshop、Illustrator、Lightroomを利用する方でAdobe Creative Cloudのプランを契約していれば無料で使えるところがカメラマンには嬉しいポイント。
その他にも、独自ドメインを取得することができたり、全世界のクリエイターが利用するSNS「Behance」とも連携が可能です。
採用のプロであるマイナビがクリエイター集団「PARTY」と共同開発した無料で利用できるツールです。
採用担当側の目線で構成され、用意された質問に答えていくだけで内容に迷うことなく要所をおさえることができます。PDF出力ができるので、紙のポートフォリオも同時に作成できます。
スウェーデン発祥で、全世界で100万人以上の方が利用しています。
デザイン性の高いテンプレートが豊富にあり、カメラマン、デザイナー、ヘアメイクアーティストなどアーティスティックな創造活動をする方に向けたサポートが充実しています。
日本のスタートアップ企業が運営しているクリエイターのために作られたポートフォリオサイトです。
「30秒で作れるポートフォリオ」をテーマに、誰でもとにかく簡単にポートフォリオを作ることができます。
自分でWEBサイトを構築する
ポートフォリオ作成ツールを利用するのではなく、自分でWEBサイトを作成することもできます。
例えば、WordPressを使用すれば、HTMLやCSSといったプログラミングの専門知識がない方でも、ドラッグアンドドロップで作成ができ、自由度の高いポートフォリオサイトを自作できます。
カスタマイズしてこだわりを持ちたい方だけでなく、企業のコーポレートサイトにもWordPressは使われているので、一定規模が大きくなったらポートフォリオをWordPressで自作する方も多いようです。
SEO対策や上位検索といった露出を増やすための施策がとりやすい点も魅力の一つでしょう。
採用されるためのポイント
定期的な更新
ポートフォリオを作成後も常にブラッシュアップしていきましょう。
特にWEBポートフォリオでは、更新履歴が空いていると見ている側を不安にさせてしまいます。
ポートフォリオの鮮度を保つことが欠かせません。
完成度の高さ
ポートフォリオを一つの作品として構成します。
写真のレイアウト位置、余白、フォントだけでも、個性を演出できるでしょう。
読み手に配慮した回遊しやすい導線も注力すべきポイントです。
構成力、伝わる力を有しているとされ評価に繋がります。
SNSを活用
SNSではパーソナリティを伝えることができます。
世界観や思いを表現できるので、作品の背景にある人物像を見せることができます。
興味を持ってくれた方とのコンタクトの取りやすさも仕事を獲得する際に有利になるでしょう。
まとめ
ポートフォリオは育てていくことで、資産になります。
ブラッシュアップを重ねていき自分自身を最大限にアピールできるポートフォリオを作成しましょう。
この記事がポートフォリオを作成する際の考え方の一つとして役に立てたら幸いです。