カメラマンとして就職するにはスタジオの撮影経験は必要?

カメラマンとして就職するにはスタジオの撮影経験は必要?

カメラマンとして就職や転職を検討するとき、撮影経験がなければ不利になるのではと不安になる方が多いのではないでしょうか。
そもそも、カメラマンになるために必要な条件はあるのか、あるとしたらそれが何なのか気になりますよね。

そこで今回は、カメラマンとして働くためにスタジオでの撮影経験が必要かどうか、その他の諸条件とあわせて詳しくご紹介します。

撮影経験の有無で採用率はどう変わる?

スタジオでの撮影経験の有無で、採用率が大きく変わる可能性はほとんどありません。

なぜなら、多くのスタジオでは、未経験者でもカメラマンを雇用しているからです。
ただし、未経験の場合は、すぐにお客様の撮影を任されるのではなく、最初はアシスタントからのスタートとなります。

アシスタントとは、簡単にいうとカメラマンの補佐役です。

その業務内容は多岐にわたり、機材の運搬からセッティング全般の補助、時にはモデルの対応や買い出し、事務仕事を任されることもあります。
スタジオ勤務のアシスタントだと、スタジオ全体の掃除やお客様のスペースの整理整頓、道具の手入れをする場合もあります。

まだ撮影はさせてもらえないので、撮影が始まると長時間待たされることもありますが、現場によっては撮影中も裏方仕事で手一杯になることも想定されます。
ひとことにアシスタントといっても、カメラマンと同じかそれ以上の覚悟と体力が必要です

アシスタントからの採用になった場合、まずはこれらの業務をこなしながら撮影技術を身につける必要があり、許可を得なければカメラマンとしてデビューはできません。

では、撮影経験があればすぐ撮影できるポジションで採用してもらえるのかというと、そう単純な話でもありません。
カメラマンとしての撮影経験があっても、それが就職先のスタジオとの関係性が薄い場合は、就職に有利になるとは言えないでしょう。

例えば、風景画ばかり撮影していた人がいきなりポートレートを撮影できるようにはなりません。
そのため、撮影未経験者とほぼ同列に扱われます。

ここで大切なのは、自分の経験をしっかり整理することです。
未経験ならばスタジオで経験したいことを自分で把握しないと、満足な就職先を見つけることは難しいでしょう。

また、採用が決まっても長続きしない可能性も産んでしまいます。
経験がある場合でも、自分は今までどんな経験を積んできて今後どうなっていきたいのかビジョンを明確に持つことでスタジオ選びが変わってきます。
経験はあれば武器になるものの、何でもいいというわけではないことを忘れてはいけません。

スタジオでの撮影経験があった方がよいケース

次のような場合は、スタジオでの撮影経験があった方が就職で有利になります。

職を転々としている

職を転々としている場合、就職で不利になりがちです。
これは、採用しても短期間で退職してしまうと思われるためです。

職を転々としている場合、職務経歴書や履歴書の経歴欄などを利用して理由や事情をアピールするのが常套手段です。
さらに、そこにスタジオでの撮影経験の記載があれば、多少は採用率が変わってくるでしょう。

職を転々としてきたことも含めて、自分の経験値として受け取ってもらえるようにすることで好印象を獲得しましょう。

前職の勤続年数が短い

前職の勤続年数が短い場合も、短期間で退職される可能性があると判断されます。
そのため、スタジオでの撮影経験をはじめ、何らかのカメラマンとしての経験があった方がよいでしょう。

過去の転職同様、職務経歴書や履歴書を使って短期間で前職を辞めた経緯を明記するのがまず採用への第一歩です。
そして、その後カメラマンとして自分がしてきたことをアピールできれば問題ないでしょう。

この場合、自分が撮ってきた写真をまとめたポートフォリオを作成しておくと経験だけでなくセンスや腕前もアピールできるので一石二鳥です。

競争率が高い

就職転職先はどうしても人気が偏ります。

例えば待遇がよかったり、有名カメラマンが勤務しているスタジオはどうしても競争率が高くなりがちです。
多くの希望者の中から選ぶために、競争率の高いスタジオは撮影経験がない時点で応募者をふるい落とす可能性があります

待遇や環境を重視して就職先を選ぶのであれば、スタジオでの撮影経験は必須でしょう。
未経験でどうしてもチャレンジする場合は、せめてアルバイトや学習経験など、カメラに関連する経験をしてきたことを全面に出すことで採用に近づくかもしれません。

スタジオの撮影経験がなくても就職しやすいケース

スタジオ撮影の経験がなくても、次のようなスタジオは就職しやすいでしょう。

人手不足

慢性的な人手不足に陥っているスタジオは、カメラマンを随時募集しています

最初からお客様の撮影を任されるわけではありませんが、比較的早くカメラマンとしてデビューできるでしょう。
ただし、人手不足である理由について事前に調査しておくことが大切です。

撮影技術は働きながら学ぶものと思っている

撮影技術は働きながら学ぶものと考えているスタジオは、撮影未経験者でも積極的に採用します。

ただし、撮影技術に対してシビアな目で見ている傾向があるため、カメラマンとしてデビューできるまでには長い時間がかかるでしょう。

また、現場で学ぶことを信条としているということは、採用されたからには能動的に経験値を上げる努力をして当然という意味でもあります。
与えられた仕事をこなすだけでなく、例えば待ち時間を利用して現場の見学をしたり積極的に所属カメラマンやスタッフとコミュニケーションを取るなどの行動が必要です。

また、現場以外でも、現場で撮影することがない分学んだことを実践、アウトプットする時間を勤務外などで作ることも必要です。
現場で学び、それを自分の時間を使って消化、実践をすることを繰り返すことでカメラマンデビューの道を自分で切り開くことになります。

即戦力として働きたいのであればある程度の撮影経験は必須と言えますが、コツコツと努力することができれば多くの経験と学びが得られるでしょう。

まとめ

カメラマンとして就職したい場合、撮影未経験でも就職は可能です。

しかし、カメラマンとしてデビューするまでには時間がかかるため、ある程度の覚悟は必要でしょう。

未経験でスタジオに就職した場合、まずはアシスタント業の激務に耐えることになる可能性もあります。
現場でカメラを触る機会があまりない分、自分の時間を削って学びを形にしていく努力が必要です。

未経験でもまずは履歴書や職務経歴書を使ってカメラや写真に対する意欲とポテンシャルを示しましょう。
カメラマンデビューを早めるために、撮影経験をアピールできるポートフォリオを用意するのもよいでしょう。